SMF Press Vol.4(2011.1.11)裏面

体験レポートロゴ

ネットからはじまるアートのわっ!!

早朝の原宿・表参道
早朝の原宿・表参道

私はmixiでとても気になっている人がいました。それはアートテラー・とに~さん。とに~さんは毎週末、参加者を募って美術館や建築のツアーを行っています。このツアーは大変人気で、いつもキャンセル待ちの人がたくさんいます。また、都内の美術館だけでなく、埼玉県立近代美術館で行われていた「アンドリュー・ワイエス展-オルソン・ハウスの物語-」にもツアーで訪れていたというので、どのような人なのか、ますます気になり、今回「大東京お笑い建築ツアー 史上最大の建築タウン“ 表参道”24時間スペシャル」【朝の特別編】」のツアーに参加してきました。

集合は午前8時。この時間の表参道は昼間の賑やかさとは遠くかけ離れた、不思議な静けさがありました。主催者のアートテラー・とに~さん、講師の建築家・ペンさん、スタッフさんたち、そしてツアー参加者の皆さんと人数は20人程。表参道をぐるっと周り、表参道ヒルズやDiorをはじめ、会社の社屋、デザイン事務所など、一人ではなかなか行けないような所に行ってきました。とに~さんは吉本興行に所属していたこともあり、話術がとても巧みでした。解説に専門用語が出てくると、そこにとに~さんが素早くツッコむ。ここで講師のペンさんがすらすらと答える。このお二方の駆け引きから目が離せませんでした。

とに~さんとペンさん
とに~さん(左)とペンさん

ツアーの参加者の方々は、学生から主婦、デザイナー、第二の人生を楽しむ方まで幅広い年齢層。また今回初参加の方も、常連さんもいらっしゃいました。ある参加者の方にお話を伺ったところ「ネットで募集しているのは少し不安があったけど、とてもおもしろそうなので来ちゃいました。」とのこと。とに~さんのツアーは本当に魅力的なのです。他の参加者の皆さんもとても楽しんでいらっしゃいました。講師のペンさんの解説を聞き、積極的に質問する方や、メモをとる方、建物の写真を多方向から撮っている方と、知ること・学ぶことに積極的な方がいっぱいです。

幅広い年齢層の参加者
幅広い年齢層の参加者

とに~さんはアートテラーという職業を「一般の方にとって、とっつきづらいイメージのある『美術』を、より身近で、より楽しいものに感じていただけるようなトークをする職業」とおっしゃっています。「美術」をより多くの人に見てもらえる、参加してもらえるようにするために私たちが一歩一歩、「美術はとっつきにくいもの」というイメージを持っている方へ、歩み寄る大切さを感じたツアーでした。皆さんもとに~さんのツアーに参加してみませんか?今までと違う「美術」が見つかるかもしれません。(H.S.)

再発見!「子どもの眼 大人の眼」のロゴ

写真を撮る子ども2010年11月23日、うらわ美術館にて「子どもの眼 大人の眼ーつながる心ー」が行われました。アーティストの塩崎由美子さんを講師に、世代の異なる参加者が作品を作ってコミュニケーションするワークショップ。各自の撮った写真が素材となります。5歳から63歳までの26名が街へと出かけ、初めてカメラを手にした子どもは、追いかけた猫と同じ目線でシャッターを切りました。またある子どもは遥か頭上にそびえるビルを撮影。写っていたのは、厚い雲間に一瞬のぞいた目の醒めるような青空でした。一方年長者も負けてはいません。何気ない日常をユニークな視点で切り取り、その構図の巧みさに感心しきり。歳の差2回りの大人同士で同じ被写体に向ける視点の違いに驚く場面もあったようです。互いのやりとりで普段は見えないものが見えてき参加者一同、プロアマ、家族や年齢の垣根を越えて刺激を受け合う交流の場となりました。
ワークショップ美術を身近に楽しむ表現活動に優劣はありません。子どもたちの自由な発想は、固定観念に拠らずに新しく物事を見つめる手掛かりになりますし、経験豊かな大人からは、人の心の多様さと思考の深さを教わります。創作体験を通じて大人の眼と子どもの眼が出会うとき、その先のよりよい人間関係や生活に向けての可能性が開けるかもしれません。
こうした多世代交流型のワークショップについて、参加者の好評や実施前後に届いた問い合わせからも、需要の高さと手応えを感じています。今後うらわ美術館のオリジナルプログラムとしての継続を検討しており、お隣の埼玉県立近代美術館も2010年度から、土曜ワークショップの対象年齢を一部広げたところ。美術館を舞台にどんな出会いが広がっていくのか、とても楽しみです。(A.O.)

編集者のつぶやき…

開催中の植田正治写真展もおすすめです(H.O.)/縁の下の力持ち-デザインの中村Aさん、写真の中村Cさん、映像の佐藤さん、HP担当の木村さん-今年もどうぞよろしく(M.N.)/気づいたら2010年 はもう終わり。さて2011年に向かって歩きはじめますか。前を向いて、一歩一歩(H.S.)/【S】新年も【M】みんなで団結【F】フルパワー☆どうぞよろしく(A.O.)

執筆:(M.N.)中村誠/(H.O.)小田浩子/(H.S.)齋藤はるか/(A.O.)小野寺茜
編集:SMF広報委員会 発行:「交差する風・織りなす場」実行委員会
〒330-0061 埼玉県さいたま市浦和区常盤9-30-1 埼玉県立近代美術館内
問い合わせ:SMF.info@artplatform.jp
文化庁 平成22年度美術館・歴史博物館活動基盤整備支援事業
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